10月22日の即位の礼
10月22日に第126代天皇の即位の礼、
正確には即位礼正殿の儀が執り行われます。
世界中の国王とか大統領、首相などのお歴々が参列され、
ものすごい盛大なことになっています。
こうした儀式にはあまり関心はないのですが、一つ思い出したことがあります。
以前、YouTubeの動画を見ていますと、
ある歴史家が、天皇が高い所にいらっしゃり、臣下諸々は低いところで
伺候するようになったのは、645年の大化の改新以降とのこと。
確かに、この儀式で天皇は正殿の高御座という一段高い所にいます。
我々には至極当然に思えるのですが、歴史家が指摘するのは、
大化の改新以前はそうではなかったということです。
誤解を恐れず図式化すれば、改新以前は円卓の騎士スタイルで、
天皇は色々いる豪族の中で一番強い豪族ということ。
だから、当時のキングメーカーの曽我入鹿は天皇をコントロールしようとし、
天皇に取って代わろうとしたんです。改新で殺されてしまいますけど。
大化の改新により、天皇は一番強い豪族ではなく
神聖で侵すべからずの存在となり、君臣の日常では
物理的にも天皇は一段高い玉座にいらっしゃるように
なったということでしょうか。
長い歴史の中、天皇の歴史にも色々なことがありました。
平安時代には藤原氏が我が世の春を謳歌し、
鎌倉幕府以降大体は武家が政治の実権を握りました。
明治になって神聖不可侵が復活したのですが、
昭和になって難しい局面に立たされ自滅（？）でしょうか。
しかし大化の改新の成したことはずっと生き続けたのですね。
天皇制の存続は必然、それとも偶然？
天皇は126代目。初代からずっと系図が辿れるんです。
こんなに長く続いたのは世界にも例がない。
脈々と続く、あるいは続けられるのは何故なんでしょうか？
中国や朝鮮半島の歴史を見ますと、王朝交代が起こると、
前王朝の一族は皆殺しにあっていますよね。
中国などでは、前王朝を滅ぼした後は最期の皇帝を桀紂扱いして
歴史書を書くというパターンが何十回と繰り返されています。
朝鮮半島だって、李氏朝鮮ができた時は前王朝の高麗の王氏一族を
皆殺しにしました。
なのに日本では鎌倉幕府のような武家政権になっても、
天皇や朝廷はずっと存続しています。これは、
天皇が上手に生き延びた結果なんでしょうか？
確かに、武家の方も天皇の権威を利用した側面はあります。
武家の先祖は大抵は源氏か平氏で、更には○○皇子から出ているとか。
皇子というのは天皇の子です。なので、天皇を否定すると、
自らも否定してしまうと考え、持ちつ持たれつの関係になったんでしょうか？
つまり、天皇制は必然ってこと？
あるいは、日本は四方を海に囲まれた島国で、
天皇制や日本の諸制度を全く理解しない外国勢力に
支配されたことがないという偶然の賜物だったんでしょうか？
これって鶏が先か卵が先か的問題で、答はなさそうですね。
日本人は共存が上手？
鎌倉幕府以降、幕府と朝廷は共存していました。
この共存の秘訣は、前述のように持ちつ持たれつの関係がうまく機能した？
今、海外に目をやると、香港で凄いデモが起こっています。
中国の共産党政府が口では１国２制度とか言いながら、
香港の自由主義的制度を否定し、つまり共存を否定し、
共産主義に組み入れようとしているとか。
共存が上手くいった武家時代の日本と中共・香港との違いは何でしょうか？
もちろん昔の武家時代と現在の中共・香港とは、
時代背景や諸々の前提条件が違います。
しかし敢えて考えてみました。どうせ徒然ですから。
日本では、武家も公家もある意味、同じ民族であるとの共通基盤が
あったからでしょうか？あるいは、日本人は理想を掲げても
100％は実現しようとしない、8分目で止めるリアリストだったからでしょうか？
だから簡単に共存できた？
一方中国は多民族国家。
歴史学者によると、かの地には国民国家とか存在しないとか。
つまり日本のように共通基盤が存在しない。
代わりにイデオロギーとかめんどくさいものを振りかざして、
100％つき従わせようとする。従わなければ武力行使発動ということ。
日本にも武力行使はありましたが、前述の通り８分原則です。
これって２分は遊びということ？気持ちに余裕が出ますね。
他方、中共では100％を追求します。
人の常で面従腹背が起こりますが、やっている人に余裕はないはず。
まあ、これもスパッと言い切れない難しい問題です。
実は、昭和の前半は、非常に頭脳優秀な帝国軍人がイデオロギーのようなものを
振りかざし大戦まで突進したとか。そういう歴史解釈もあります。
でも、この辺りの歴史的研究はまだ不十分で、もう少し時間がかかりそう。
私がよく見る歴史解説動画では、ソ連コミンテルン陰謀説とか、
米国のF．ルーズベルト大統領はスパイに操られた社会主義者だったとか、
面白解説で盛り上がります。講談程度に思っていた方が良いでしょうか。