初心者のためのFX取引初歩の5

初心者のためのチャートの見方後半です。
トレンドが出ていてもいつまでも続くわけではなく、何時か終わりが来ます。
その際には、考えを切り替え、次の予想パターン(トレードチャンスでもある)を
待ち受けることも有効ですので、今回はその辺りの話をします。

明確な転換シグナルとは

ダウ理論の第六基本法則は、
トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する
でした。それでは明確な転換シグナルとはどういうものでしょうか?

既に説明しましたが、
・Higher High, Higher Low(高値更新、安値切り上げ)
・Lower Low, Lower High(安値更新、高値切り下げ)
であればトレンド継続中です。
明確な転換シグナルの一つは、この状態が崩れた時です。

これに該当する典型的なチャートパターンに三尊と逆三尊があります。
実際のチャートで示せばいいのですが、今回はお絵描きです。
こんなにきれいに出ることはまれですが、イメージを掴んでください。

三尊
高値追及でしたが、やがて上げ疲れて高値更新ができません。とうとう直近安値を切ってしまうような形になった時、三尊天井と言って上昇から下降にかわったシグナルとされます。実際のチャートを見ていると上がろう上がろうとしている感じを強く受けるものですが、赤○を入れたところでは売り急ぎになるのが通常です。つまり転換シグナルです。
安値追求していたのが、下げ疲れて安値更新できなくなります。この間も、下げよう下げようとしている感じを受けますが、力及ばずついには直近高値を上に切ってしまします。赤○を入れたところで、逆に買戻しなどが急に増えます。つまり下降局面から上昇局面へと転換です。これを逆三尊と言い、大底形成とみます。
逆三尊

入門書では上のように線を引いて説明することが殆どです。
しかし、実際は、線を引いたようにきれいに出てくることはまれです。
三尊でなく、二尊のこともありますし、山なのか谷なのか
分かりずらいことも結構あります。

また、時間的な間隔もまちまちで、直ぐ示現したり、長い時間を経過した後に
出てくることもあります。天井大底のパターンのバリエーションは色々です。
更に悪いことには、天井あるいは大底のように見せつけて再びトレンドに
戻ることもあります。これってダマしです。

やはり、実際の動くチャートを見て、把握するのが一番です。
また、赤○を入れた辺りは見逃さないようにしないといけません。
慣れてくると、この辺りでちゃんとチャートを見ているものです。

ブレイクアウト

先の三尊や逆三尊はピーク・ボトムの認識に留まらず、
次にブレイクアウトという取引手法に使われるチャート場面にもつながります。
ブレイクアウトというのは有力な方法で、チャートでも確認すべきです。

ブレイクアウトとは、直近高値安値を超えて上昇/下降することです。
ここで直近高値安値は抵抗線と言ったり、支持線とも言ったりします。
ブレイクアウトでは、この抵抗線・支持線を超えると勢い動きが早くなります。
これは、上昇していた場面では買いの投げ売りが出たりするため、
下降していた場面では売りの急な買戻しが出たりするためです。

前回のその4で見た5分足チャートを再び見てみます。
5分足ー123
このチャートでは、直近安値を切ると急落しています。
つまり、キレイにブレイクアウトしています。

ただ、午前1時前に下げがありますが、前の午後8時半頃の高値にタッチして
再び上昇という場面です。これはブレイクアウトの場面でよく出る
抵抗線・支持線のロールリバーサルと言うものが見れます。
つまり、抵抗線がこの場面では支持線に役割が転換します。
逆のケースでしたら、支持線が抵抗線に転換するというものです。

ブレイクアウト局面ではロールリバーサルがあると展開が進みやすいと見ます。
実は、ブレイクアウトというのも、三尊・逆三尊と同様ダマしもあります。
慎重を期す人はこのロールリバーサルを確認してからというようにしています。

抵抗線・支持線というのは人によって違ったニュアンスを持ちます。
例えば、抵抗線・支持線で弾かれることを期待する人は、
待ってましたとばかりに抵抗線近くで売ったり、支持線近くで買います。

ブレイクアウト展開を期待する人と弾かれることを期待する人と、
この力関係で、チャートは違った形になるのです。

チャートは買い手と売り手の攻防の結果

チャートの見方で、こういう場面ではこういうパターンになるとかいう見方には、
個人的には抵抗があります。

確かに、パターンが出やすい場面はあります。
ですが、FXは、常に買い手売り手の攻防です。
一方が足並み乱れ総崩れになれば、他方はドンドン押していくことで、
キレイなパターンになることはあります。しかし、常に強弱が決まるわけではなく、
毎度毎度キレイなパターンにはなりません。

買い手売り手の攻防をダイレクトに見ることはできません。
中上級レベルの人は、テクニカルやファンダメンタルの情報を使って、
この攻防の強弱を判別するヒントにしているように思います。
初心者の皆さんはチャートにまず見慣れ、進むべき上達の方向性を見定め、
一つ一つ積み重ねて頂ければと思う次第です。

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