複利、複利と言うけれど

FXのインジケータやEAの販売時には、複利の数値がよく使われます。
単純に計算では正しいのだけれども、計算以外の要因を考えると、
色々難しい問題が出てくると思う。今回はそのあたりを考えます。

複利運用とは

運用成果の利回りを表すとき、単利か複利のどちらかが使われます。
どちらも単純な計算です。考え方は次のようになります。

単利は、一定期間、例えば1年間で得た儲けを元本で割ったもの。
例えば、元本100万円で、1年間で5万円儲ければ5%です。
単利の場合、元本はずっと100万円として計算します。
従って、次の年も5%の単利なら5万円の儲けです。

これに対し複利の考え方は少し違います。
1年目、5%の複利であれば、上の例と同じ5万円の儲けです。
違いは次年度からです。複利の場合、前年の儲けを元本に組み入れます。
つまり、105万円が元本になるのです。従って5%複利だと儲けは5.25万円。
元本が増えた分、儲けも少し増えるというわけです。

両者の違いは、長い期間で比較するととんでもなく大きな差となります。
その複利効果を表現して、アインシュタインが「人類最大の発見」と
いったとか。(確証はありませんけど)

販売促進に使われる複利について

あるEAの運用成果が15年で47億円になったと宣伝です。
その他のデータはよく分かりませんので、勝手に
最初の元本を100万円にし、15年目に45億円になったとします。

これって複利でどれくらいの利回りでしょうか?
昨今は卓上計算機でも簡単に計算できます。
15年で元本を4,500倍にするための複利利回りです。
答えを言いますと、年利75.2%です。

FXの場合ですと月利が気になりますが、これも同じ手順で計算です。
月ですから15年は180カ月。180カ月後に4,500倍にする複利は、
四捨五入で約4.8%です。

この計算自体は正しいのです。
ホント複利の効果というのは凄いものがあります。

現実的に解釈して2~3の懸念事項

計算上は正しく、月利5%未満の利回りならFXで可能そうです。
もし仮にEAが月利5%をたたき出すものであっても、
どれくらいの期間、何の邪魔なく運用ができるか気になります。

例えば、EAの過去検証では出てきませんでしたが、
実際のトレードとなるとFX会社も必死で邪魔をします。
EAに儲けられると彼らは大損ですから。

それにFXの場合、レバレッジを効かせます。
仮に10倍としますと、元本が3,000万円以上になると、
発注に手間がかかります。多くのFX会社は1発の注文を
30ロット、つまり想定元本3億円以下にするよう制限します。
なので注文を分けたり複数のFX会社を使ったりの手間がかかります。

因みに、上記前提で元本が3,000万円を超えるのは6年目です。
45億円なんてとんでもない、3,000万円で十分という人ならOKでしょう。

でも、世の中金持ちは多いもんです。
元本を最初から5,000万円とか、それ以上とかで始める人もいるでしょう。
そのような人は、このEA一本の運用は新たなめんどくささや障害が
出てくる可能性もあります。

元本が10億円以上になれば、EAが稼げばFX会社の経営が困難になるとか、
色々問題が出てくるかもしれません。

誰か知りませんが、FX会社を何社も潰した猛者トレーダーもいるとか。
仮にこういう事態に陥れば、複利運用はストップです。
まあ、大金持ちは小さなFX会社は使わないと思いますけど!

実際の例では、FXだけで45億円稼ごうとするのはいないかもしれません。
そうではなく株とか債券に分散投資したり、事業を始めるかもしれません。
それが出来るのは、一部のラッキーな人達だと思いますけど。

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