初心者のためのFX取引初歩の7

今回は注文とその執行について話します。
注文の出し方や注文の種類ごとの特徴など、
取引をする際にはすべて重要なことですので、しっかり理解して下さい。
また、何日もポジションを保有する場合にはスワップが生じ、
コスト増になることもあります。正しく認識しましょう。

FX取引の三大要素

FXは、売ったり買ったりする取引です。注文には必要なことを決めます。
銘柄の他は、売買の別、数量、単価が三大要素です。

売買の別は文字通り、売りなのか買いなのかということ。

数量は、FXの場合、ロットという単位を使います。

殆どの業者は1ロットは10万通貨単位にしていますが、国内業者の中には
1ロット1万通貨単位としているとところもあるそうですので、
口座開設の前に確認する必要があります。

最小取引ロットも業者毎に決めます。
通常は、0.1ロットつまり1万通貨単位が多いようですが、
最近は0.01ロット、すなわち1,000通貨単位でも取引できるように
している業者も増えているとか。

単価は業者が価格をどう表示しているかに依存します。
最近では、ドル円のような通貨ペアを3桁表示、
ユーロドルのような通貨ペアは5桁表示が多いです。

この場合、売買単価は小数点3桁とか、小数点5桁が単価になります。
もっとも、後で注文の種類を説明しますが、売買単価を指定することも
出来ます。その場合は、小数点2桁とか、あるいは4桁とか自由に指定できます。

注文の種類

通常よく使われる注文は、成行注文指値注文です。

成行は値段を指定せず、指定した数量を売ったり買ったりする注文です。
値段を指定しないかわりに、最速で約定したい場合などに有効な注文です。
通常は買いたい時はAskを目当てに、売りたい時はBidを目途に注文を
出すと思いますが、その時の相場の変動により値段は上下します。
業者はスリページと言って、顧客不利に値段をずらすこともあります。
つまり、約定単価にはリスクを負っている注文です。

たまにですが、成行注文で出しても、「リクォート」という表示が
返されることがあります。これは、約定不成立という意味です。
業者が拒否したということです。「リクォート」が多い業者は要注意です。

次の指値注文は数量と発注値段を指定して出す注文です。
通常は、Askより安く買いたいとか、Bidより高く売りたい時に、
値段を指定して出す注文です。従って直ぐには約定しません。
場合によっては約定しないこともあります。
なので、この指値注文の有効期間を指定したりします。

Askより高く買いたいとか、Bidより安く売りたいという場合も
あるかもしれません。次にいう逆指値注文でなければ、
これは成行注文と同じ結果になるはずです。

また、指値の中でも、現行のAskよりも高い値段になったら買いとか
現行のBidよりも安い値段になったら売りというような注文を
逆指値注文と言います。

新規の注文をこの逆指値ですることもありますし、
保有しているポジション玉にこの逆指値注文を付けることがあります。
新規注文では、「何円以上になったら買いだ」とか考えた場合に使います。
これって長年取引をしているベテラン投資家がよく考えることです。
既存ポジションに逆指値注文を付けるのは、損失を拡大させないようにする
損切注文です。

指値注文と逆指値注文を同時に付け、もし一方が約定したらた他方が
キャンセルされるような注文をOCO注文と言います。OCOとは、
One Cancel the Otherの頭文字をとったもので説明の通りの意味です。

OCO注文は保有ポジションにつけることが多いです。
利確と損切値段を予め決めておくことができますので、
外出などでずっと見ていられないときに便利です。

また、新規の逆指値注文にOCO注文を付けることもあります。
ベテラン的な見方をした時、利確・損切を決めておけば安心というわけです。

因みに、MT4の発注画面は以下のようなポップアップです。

order_placement
この場合、ドル円のチャートからの注文ですから、通貨ペアは決まってます。中段ちょっと下に価格があり、ここの値段が入っている場合は指値注文、0になっている場合は成行注文です。
上の方に決済逆指値(損切値段)と決済指値(利確値段)の入力欄があり、両方に入力するとOCO注文になります。もちろん、一方だけでもOKです。

MT4には、他にクイック注文という機能も付いています。
チャート画面の左上にBidとAskが大きく表示されており、
上側真ん中に直近トレードした数量が表示されています。
Bid箇所が売りで、Ask箇所が買いで、どちらかをクリックするだけで
その数量で成行注文が出され、約定するというものです。

ポジションを持って日を超すとスワップ金利が発生

FX取引には、もう一つ大事なことがあります。
スワップポイントと言ったり、単にスワップといったりするものです。

保有している通貨ペアの通貨の金利の差を顧客が払ったり受け取ったりします。
日を超えて(米国午後5時を基準とすることが多いので日本時間午前6時頃)
ポジションを持つ場合、スワップが発生し、日毎に積上がっていきます。

例えば、ドル円の場合、ドルが高金利通貨で、円は低金利ですから、
通常、ドル円を買い持ちしている場合はスワップが受取りになり、
売り持ちの場合は支払になります。この受取り、支払いは厳密に金利差から
計算されたものではなく、業者が金利差を参考に各自決めています。
良心的な業者は、自社のサイトにスワップポイントを一覧で示すところもあります。
中には、最悪の場合、売っても買ってもスワップ金利を取られる事態もあります。

以上で、売買執行を中心に一通り話しました。初心者には十分ですが、
実際の発注練習は重要です。デモ口座で繰り返しすることがお勧めです。

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