初心者のためのFX取引初歩の4

今回は短い時間足のチャートの見方について話します。
日足で確認できたダウ理論は、短い5分足チャートでも有効です。
その使い方については、より一層細かな配慮が必要ですので、
そのあたりを説明していきます。

いきなりチャートの見方にチャレンジ

前々回のダウ理論の復習

前々回のその2で、ダウ理論の説明をしました。
トレンドの具体的な見方を端的に言えば、
・Higher High, Higher Low
・Lower Low, Lower High
が継続し、明確な転換のシグナルが無ければトレンドが継続していると
見ると説明しました。そして、日足でトレンドの例を確認しました。

色々な時間軸を整合的に見る

ここでは新たに、次のことを言います。
ダウ理論は1時間足や5分足チャートにも適用できるということです。
難しくいえば、5分足などに時間軸を変えても自己相似となるということ。

これをフランスの数学者マンデルブロという人がフラクタルと言って主張しました。
もっと前に、米国人のエリオットという人が、彼が見つけた波動パターンは、
5分でも1時間でも、あるいは日足、更には週足や月足にも表れるとと主張しました。
両者は基本的には似たようなことを言っているのですが、
マンデルブロとエリオット派の人との間で、自分たちの主張の
オリジナリティを巡る論争まで引き起ったおまけつきです。

残念なことに、相場の世界では完全な自己相似を見つけることは難しいです。
むしろ直感的に、そうかもしれないと思う程度です。
従って、単純に日足と5分足は同じような形で動くなどとは言えません。
また、前々回に述べたように、時間帯によっても違いがありますから。

そこで、実際にトレードをしている億トレーダーたちが言葉を変えて、
もっと実際に使えるようにしました。
すなわち、

下位足(例えば5分足)は上位足(例えば、1時間足、4時間足、日足)に従う

という見方です。

意訳をすれば、5分足の動きはランダムで、捉えるのは難しいが、
上位足(1時間足とか4時間足とか)はトレンドかレンジか認識しやすい。
上位足がトレンドであろうがレンジであろうが少し先の動きも予想しやすい。
従って、上位足で上がりそうな局面では、5分足の動きも上昇しやすい。
逆に、上位足が下がりそうな場面で、5分足の動きも下降しやすい。
と解釈します。

つまり、上位足で上に行きそうと思える場面で5分足が上昇のシグナルを
出せば、上に行く可能性が高いと見ます。反対に、上位足が下に
行きそうと思える場面で5分足が下降のシグナルを出せば、
下に行く可能性が高いと見るというわけです。

5分足チャートで高値安値をチェック

5分足チャートを見てみます。
前々回のその2でポンドドルの日足を見ました。直近はレンジのようでした。
では5分足はどうか?
5分足ー123
このチャートでは、主に欧州時間とNY時間を見ています。
5分足において、直近高安と言えそうなところに適当に線を引きました。

◆午後4時半ばに安値を更新し、リバウンドしています。
5時にリバウンドの高値ですが切り下がりです。そして再び安値更新。
この局面はダウ理論成立です。

◆その後やや長めのリバウンドしていますが、8時半頃のリバウンド高値は、
切り下がりです。そして下げる。午後12時のNY時間が意識される時間です。
安値更新とはなりませんでした。そして、リバウンドです。
欧州時間の行き過ぎを調整しているような(個人的)感じです。

日足がレンジと思える局面ですが、5分足でダウ理論を確認できます。
しかし、場面場面でリバウンド高値を判断するのは難しいと思います。
ダウ理論によればこの辺りで止まるはずだからなどと考えるのは
本末転倒!そのような考え方に陥らないように注意してください。

上昇時の安値切り上げ、下降時の高値切り下げ

5分足チャートーマルチタイム
このチャートは上位足の移動平均線(MA)を引いたものです。
オリーブ色のカクカク線は15分の10期間MAで、
青のカクカクは1時間の10期間MAです。茶色の線は5分の200MAです。

◆上図で4時半に安値更新を確認しました。5時のリバウンド高値は、
1時間10MAを上にクロスし、すぐ戻しています。そして5分足の終値が
1時間10MAを上回ることはありません。つまり、(慣れないうちは)
5分10分遅れて直近高値と判断します。

◆8時半にも似たようなことが起こっています。つまり、1時間10MAを
少しだけ上に切り、直ぐ戻すのです。これ直近高値ですね。この時には、
1時間10MAは下降傾向です。これも、まだ下げるという見通しの根拠の
一つになるとは思いますが、他に時間帯とか色々あります。
混乱すると良くないので、ここでは気にしないでください。

◆NY時間になって午後12時に1時間10MAを切って上昇して
戻ってきません。しかも、8時半の高値を更新しました。
局面が変わったと見るべきですね。
優秀な(?)トレーダーなら、ここでコロッと意見見方を変えます。
だから皆さんも変えるようにしましょう。

更新高(安)値はどこまで行くのか?

分かりません。
フィボナッチとかピボットとかで計算する人がいますが、
個人的にはあまり当たっていないと思っています。

従って、ここまで行くだろうとか予想をするのではなく、
ある意味、機械的に判断するのが良いのではと思っています。
機械的にとは、5分足の短期のMA、例えば10MAを引き、
勢いよく上がったり下がったりした場合に、10MAも比較的早くついていきます。
これが勢いが落ち、終値で再び10MAまで戻ったところで
その直前の高値安値を更新の高値安値とみる方法です。

勿論、再び上昇(下降)は起こることもありますし、
また高安の判断が10分、15分遅れると思いますが、
ああだこうだと考えるよりは、こうと決めてやる方が良いと思います。

ここまでの話はチャートの見方であり、トレードの話ではありません。
トレードの話はあとでします。

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